※この記事は2025年11月2日時点の情報をもとに作成しています。
エネルジコ(Energico/えねるじこ)は、2025年のクラシック最終戦・菊花賞(GⅠ)を制した注目の現役牡馬です。
有名な名門・ノーザンファームの生産馬で、父にドゥラメンテ、母に独オークス馬エノラを持つ良血馬として、デビュー時から大きな期待を集めてきました。
重賞を含む5戦4勝という圧巻の戦績を誇り、青葉賞での差し切り勝ち、新潟記念での健闘を経て、ついにクラシックタイトルを獲得。
潜在能力と成長力の両方を備えた逸材として、今後の中長距離GⅠ戦線でも主役候補と目されています。
本記事では、エネルジコの基本プロフィールから戦績、血統、そして走りの特徴までを丁寧に解説していきます。
【現役】エネルジコの牧場とプロフィールを紹介
エネルジコは、北海道安平町の有名な名門牧場ノーザンファームの生産馬です。
国内外のGⅠホースを多数輩出してきたこの牧場は、血統の良さと育成力に定評があり、クラシック制覇を狙う多くの馬主・一口出資者から高い支持を集めています。
馬主はシルクレーシングで、クラブ法人としては大手の一つ。
エネルジコは同クラブの募集馬として、一口8万円/500口で募集されました。
出資者の期待に応える形で、デビューから圧倒的な成績を残しており、特にPOG(ペーパーオーナーゲーム)界隈でも非常に高い注目を集めています。
調教師は美浦所属の高柳瑞樹(たかやなぎ みずき)さん。
ノーザンファームとの連携も多く、クラシックを狙える素質馬を多く手がけてきた実績のある人物です。
エネルジコに関しても、じっくりと成長を促しながら重賞戦線へ送り込む戦略を採用しており、その手腕が見事に結実しました。
| 馬名 | エネルジコ(Energico) |
| 性別 | 牡 |
| 毛色 | 黒鹿毛 |
| 生年月日 | 2022年4月23日 |
| 調教師 | 高柳瑞樹(美浦) |
| 馬主 | シルクレーシング |
| 生産牧場 | ノーザンファーム(北海道安平町) |
| 募集価格 | 一口8万円(500口) |
| 獲得賞金(中央) | 3億1,821万円 |
| 通算成績 | 5戦4勝[4-1-0-0] |
| 主な勝鞍 | 2025年 菊花賞(GⅠ) |
| 近親馬 | フォーテ、ロンシャンクイーン |
エネルジコは、名門牧場×有力クラブ×実力派調教師という三拍子そろった背景を持ち、その走りは「期待通り」ではなく「期待以上」とも言える活躍を見せています。
【現役】エネルジコの競走成績を紹介
エネルジコは、デビューからわずか5戦で4勝というハイアベレージな成績を残し、2025年のクラシック最終戦・菊花賞(GⅠ)で堂々の1着を飾りました。
しかも、その勝ち星の中にはGⅡ・GⅢなどの重賞も含まれており、2歳新馬戦から菊花賞まで一気に駆け上がった、まさに“本物”の存在感を放っています。
ここでは、エネルジコのすべての出走レースを、開催日・開催場・レース名・着順・騎手・距離・タイムなどの情報とともに一覧表で整理します。
エネルジコの競走成績一覧(2024〜2025)
| 日付 | 開催 | レース名 | 着順 | 騎手 | 距離 | 馬場 | タイム | 馬体重 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2025/10/26 | 京都 | 菊花賞(GⅠ) | 1着 | C.ルメール | 芝3000 | 稍重 | 3:04.0 | 456kg | クラシック制覇 |
| 2025/08/31 | 新潟 | 新潟記念(GⅢ) | 2着 | C.ルメール | 芝2000 | 良 | 1:58.1 | 468kg | ハイレベルな接戦 |
| 2025/04/26 | 東京 | 青葉賞(GⅡ) | 1着 | C.ルメール | 芝2400 | 良 | 2:24.8 | 456kg | 末脚一閃 |
| 2025/02/02 | 東京 | セントポーリア賞(1勝C) | 1着 | 池添謙一 | 芝1800 | 良 | 1:48.2 | 454kg | 初勝利後も好内容 |
| 2024/10/20 | 東京 | 2歳新馬戦 | 1着 | 津村明秀 | 芝1800 | 良 | 1:48.5 | 440kg | 鮮烈なデビュー戦 |
戦績から見るエネルジコの評価ポイント
- クラシックホースとしての資質
2025年の菊花賞では、1番人気のエリキングや重賞勝ち馬シランケドを抑えての堂々の勝利。
中団からしっかりと脚を溜め、直線で抜け出す競馬ぶりは、長距離適性と持続力の高さを証明しました。 - 重賞級でも安定感抜群
GⅡ青葉賞、GⅢ新潟記念でも常に上位を確保。
着外なしの安定感は、クラシックを戦い抜く資質と成長力を物語っています。 - 騎手との好相性
新馬戦以降はすべての重賞でC.ルメール騎手が手綱を取り、戦績の安定にも貢献しています。
今後は古馬混合のGⅠレースや、海外遠征も視野に入る可能性があり、その動向からますます目が離せません。
【現役】エネルジコの走りの特徴とは?
エネルジコは、クラシックディスタンスから中距離まで幅広く対応できるオールラウンダータイプの競走馬です。
特筆すべきは、末脚の持続力と鋭さを兼ね備えた差し脚質で、重賞戦線でも安定したパフォーマンスを見せています。
以下に、エネルジコの走りの特徴を表とともに整理します。
エネルジコの走行・適性まとめ
| 特徴分類 | 内容 |
|---|---|
| 距離適性 | 芝1800〜3000mと非常に幅広い |
| 脚質傾向 | 差し・中団からの進出が基本、末脚に秀でる |
| 重馬場適性 | 稍重の菊花賞でも対応可能、極端な道悪は未知 |
| コース傾向 | 東京・新潟・京都など直線長めコースで好走 |
| 成長タイプ | 早期完成型ではなく、成長力も高い晩成型寄り |
| 騎手との相性 | C.ルメール騎手で3勝、抜群の好相性を発揮 |
戦法としての柔軟性
エネルジコの最大の強みは、ペースに左右されにくい競馬ができる点です。
青葉賞では上がり最速33.4秒の末脚で追い込み勝ちを収め、新潟記念では好位追走からの粘り込みで2着に好走。
菊花賞では中団待機からロングスパートを決めて、3000m戦で頂点に立ちました。
その一方で、スタート直後は控えるケースが多く、展開に恵まれないと末脚不発のリスクもあります。
とはいえ、持続力ある末脚と好判断が噛み合えば、GⅠ級の舞台でも差し切る破壊力は十分に証明済みです。
・「未完成の馬体でも重賞で結果を出し続ける。伸びしろはまだまだある」
—netkeiba『細江純子の馬体診断』より
・「ドゥラメンテ産駒らしいしなやかさと、エアグルーヴ牝系由来の芯の強さがある」
—『加藤剛史の馬体診断』(青葉賞回)
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【現役】エネルジコの血統背景を紹介
エネルジコは、父ドゥラメンテ×母エノラ(Enora)という超良血配合の牡馬で、日本と欧州の名血が融合した奥深い血統背景を持ちます。
父ドゥラメンテは日本競馬の象徴ともいえるキングカメハメハ系の後継であり、二冠馬としてそのスピードと瞬発力を子孫に伝えています。
一方の母エノラは、ドイツオークス(独GⅠ)を制した実績馬で、重厚なスタミナ血統を受け継ぐ名牝です。
この両者の組み合わせにより、スピードと持続力を兼ね備えた完成度の高い血統構成となっています。
以下の表では、エネルジコの父系・母系をそれぞれに整理した5代血統表を掲載します。
日本の王道サラブレッド血統に欧州のクラシック系が交わることで、長距離適性と勝負根性の両方を兼ね備えた理想的なバランスが形成されています。
以下に、エネルジコの5代血統表(父系・母系を統合)をまとめました。
エネルジコの5代血統表(父系+母系)
| 系統 | 血統構成 |
|---|---|
| 父系 | ドゥラメンテ(2012年 鹿毛) ┣ キングカメハメハ(Kingmambo系/2001年 鹿毛) ┃ ┣ Kingmambo(米)− Mr. Prospector系の名種牡馬 ┃ ┗ Miesque(仏GⅠ10勝の名牝) ┗ アドマイヤグルーヴ(母エアグルーヴ/サンデーサイレンス系) ┣ サンデーサイレンス(米)− 世界的名血 ┗ エアグルーヴ(トニービン×ダイナカール) |
| 母系 | エノラ(2007年 栗毛/独オークス勝ち馬) ┣ Noverre(Mr. Prospector系/1998年 鹿毛) ┃ ┣ Rahy(Blushing Groom系) ┃ ┗ Glorious Song(Halo系の傑作牝馬) ┗ Enrica(1994年 栗毛/独GⅡ好走馬) ┣ Niniski(Nijinsky系/欧州長距離血統) ┗ Virginia Hills(Tom Rolfe系) |
| 5代内クロス | Northern Dancer(4×5)/Halo(4×5) |
エネルジコの血統は、父方のサンデーサイレンス×キングカメハメハによる「スピードと瞬発力の融合」に、母系のNiniskiやNoverreといった欧州長距離系統の「底力と持続力」が加わった構成です。
この血統配合は、近年のクラシックホースに多く見られる成功パターンであり、実際にエネルジコは芝2400m〜3000mといった中長距離戦で抜群のパフォーマンスを発揮しています。
また、母系のエノラはドイツの名門牝系「FNo.19」に属しており、兄弟や近親には海外重賞馬が多数存在します。
以下に、代表的な近親馬をまとめました。
| 馬名 | 血縁関係 | 主な戦績 |
|---|---|---|
| フォーテ | 半兄 | 中央4勝+地方1勝 |
| ロンシャンクイーン | 半姉 | 中央1勝/現役 |
| Egerton | おじ | 独GⅡハンザ賞など海外5勝 |
| Enora | 母 | 独オークス(GⅠ)勝ち馬 |
| Erle | 甥 | 独ディアナ賞(GⅠ)勝ち馬(2023年) |
このように、エネルジコは国内外のクラシック血統が複雑に交差する良血馬であり、血統的にも菊花賞制覇という結果は必然ともいえるものでした。
ドゥラメンテ産駒が持つ攻撃的なスピード性能と、母系の欧州スタミナ血統が見事にかみ合ったことで、長距離戦での持続力ある末脚を発揮しています。
まとめ|血統・実績・成長力が揃う現役クラシックホース
エネルジコは、名門ノーザンファーム生産×シルクレーシング×高柳瑞樹厩舎という盤石な体制のもと、デビューから高い素質を示してきた現役クラシックホースです。
父ドゥラメンテ、母エノラという血統背景に加え、5戦4勝・菊花賞制覇という実績は、まさにその期待に応えるもの。
青葉賞では末脚の鋭さを見せ、新潟記念では世代を超えた力を証明。
菊花賞ではスタミナと勝負根性を発揮し、三冠最終戦を制しました。
また、重賞で見せた安定感ある差し脚質や距離適性の広さからも、今後の天皇賞(春)やジャパンカップ、有馬記念といったGⅠ戦線でも大いに期待がかかります。
成長途上でのGⅠ制覇は、さらなる飛躍の布石にすぎません。
まだ見ぬポテンシャルを秘めたエネルジコの走りに、これからも目が離せません。
本記事の執筆日:2025年11月2日
内容はnetkeiba掲載情報(2025年10月末時点)に基づいています。
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