近年の長距離路線を中心に、常にGⅠ戦線で安定した走りを見せてきた競走馬がジャスティンパレスです。
2023年の天皇賞(春)制覇をはじめ、国内外のGⅠで上位争いを続けてきた名ステイヤーとして、多くの競馬ファンに親しまれてきました。
一方で、6歳シーズンを迎えた現在、「ジャスティンパレスは引退するのか」「引退はいつになるのか」といった声も増えています。
結論から言うと、ジャスティンパレスは2025年の有馬記念を最後に現役を引退する見通しです。
本記事では、ジャスティンパレスの戦績・近況・年齢・ローテーションをもとに、引退時期やラストラン、有馬記念が最後となる理由について分かりやすく整理します。
ジャスティンパレスが引退へ|有馬記念がラストランとなる見通し
2025年12月28日(日)の有馬記念(GⅠ)をもって、 ジャスティンパレス(Justin Palace/牡6歳、青鹿毛)が 現役を引退する見通しとなりました。
引退レースとなるのは、中山競馬場で行われる年末の大一番「第70回有馬記念」。
すでにnetkeibaなど複数メディアで、同馬がこのレースを最後に競走生活にピリオドを打つ予定であることが報じられています。
ジャスティンパレスは、2019年4月12日生まれ。ディープインパクト産駒として注目を集め、GⅠ・天皇賞(春)をはじめ数々の好成績を残してきました。
6歳となる今シーズンを最後に現役を退く判断がなされた背景には、陣営が馬の健康面や成長のピーク、今後の種牡馬としての需要などを総合的に見て下した結論であると考えられます。
調教師の杉山晴紀(すぎやま・はるき)さんは、過去のインタビューで「ピークのうちに良い状態で引退させてあげたい」という趣旨のコメントをされており、今季もジャパンCや天皇賞(秋)で上位に食い込むなど安定した力を発揮した同馬に対し、”有終の美を飾らせたい”という意図があると見られます。
また、有馬記念はファン投票により出走馬が選ばれる“グランプリ”レースであり、25,000人以上のファンがお気に入り馬として登録しているジャスティンパレスにとって、まさにラストを飾るのにふさわしい舞台です。
2025年の有馬記念は、ジャスティンパレスにとってラストランとなる可能性が高く、前年の有馬記念を制したレガレイラとの世代交代を象徴する一戦とも言えます。
ジャスティンパレスとは?基本プロフィール
ジャスティンパレスの競走馬としての基本情報を整理します。
| 馬名 | ジャスティンパレス |
| 生年月日 | 2019年4月12日 |
| 性別 | 牡 |
| 毛色 | 青鹿毛 |
| 調教師 | 杉山晴紀(栗東) |
| 馬主 | 三木正浩 |
| 生産者 | ノーザンファーム |
| 通算成績 | 23戦5勝 |
| 主な勝ち鞍 | 天皇賞(春)(GⅠ) |
ジャスティンパレス(Justin Palace/牡6歳)は、日本競馬界を代表する名馬の一頭として活躍を続けてきた競走馬です。
2019年4月12日に北海道・安平町の名門ノーザンファームで生まれ、父は伝説的種牡馬ディープインパクト、母は米国産馬パレスルーマーという良血の出自を持ちます。
所属は栗東・杉山晴紀(すぎやま・はるき)調教師の厩舎で、馬主はABCマート創業者としても知られる三木正浩さん。
2021年9月にデビューを果たして以降、クラシック戦線をはじめ国内外のGⅠレースで実力を発揮し、2023年の天皇賞(春)では念願のGⅠ初制覇を飾りました。
通算成績は23戦5勝(2025年12月現在)。
その中には、阪神大賞典(GⅡ)や神戸新聞杯(GⅡ)などの重賞勝ちも含まれており、長距離を中心に抜群の安定感を誇るステイヤータイプとして高く評価されています。
毛色は青鹿毛で、馬体のバランスが非常に整っており、気性も素直で扱いやすいと関係者の間でも評判です。
血統、実績、人気の三拍子がそろったジャスティンパレスは、現役生活を通じて多くのファンに愛されてきました。
特に有馬記念を最後に引退するとの報が流れて以降、その注目度はさらに高まっています。
ジャスティンパレスの競走成績一覧(2025年12月現在)
これまでの出走レースを振り返り、近年のパフォーマンスを確認します。
| 日付 | レース名 | 格 | 開催場 | 距離 | 着順 | 騎手 | 着差 | 勝ち馬(2着) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2025/11/30 | ジャパンカップ | GⅠ | 東京 | 芝2400 | 5着 | C.デムーロ | 0.6秒 | カランダガン |
| 2025/11/02 | 天皇賞(秋) | GⅠ | 東京 | 芝2000 | 3着 | 団野大成 | 0.2秒 | マスカレードボール |
| 2025/06/15 | 宝塚記念 | GⅠ | 阪神 | 芝2200 | 3着 | D.レーン | 0.5秒 | メイショウタバル |
| 2025/05/04 | 天皇賞(春) | GⅠ | 京都 | 芝3200 | 6着 | 鮫島克駿 | 1.1秒 | ヘデントール |
| 2025/04/06 | 大阪杯 | GⅠ | 阪神 | 芝2000 | 6着 | 鮫島克駿 | 0.4秒 | ベラジオオペラ |
| 2024/12/22 | 有馬記念 | GⅠ | 中山 | 芝2500 | 5着 | 坂井瑠星 | 0.5秒 | レガレイラ |
| 2024/11/24 | ジャパンカップ | GⅠ | 東京 | 芝2400 | 5着 | C.デムーロ | 0.5秒 | ドウデュース |
| 2024/10/27 | 天皇賞(秋) | GⅠ | 東京 | 芝2000 | 4着 | 坂井瑠星 | 0.3秒 | ドウデュース |
| 2024/06/23 | 宝塚記念 | GⅠ | 京都 | 芝2200 | 10着 | C.ルメール | 1.6秒 | ブローザホーン |
| 2024/03/30 | ドバイシーマC | GⅠ | メイダン | 芝2410 | 4着 | J.モレイラ | 不明 | 不明 |
| 2023/12/24 | 有馬記念 | GⅠ | 中山 | 芝2500 | 4着 | 横山武史 | 0.3秒 | ドウデュース |
| 2023/10/29 | 天皇賞(秋) | GⅠ | 東京 | 芝2000 | 2着 | 横山武史 | 0.4秒 | イクイノックス |
| 2023/06/25 | 宝塚記念 | GⅠ | 阪神 | 芝2200 | 3着 | 鮫島克駿 | 0.2秒 | イクイノックス |
| 2023/04/30 | 天皇賞(春) | GⅠ | 京都 | 芝3200 | 1着 | C.ルメール | -0.4秒 | ディープボンド |
| 2023/03/19 | 阪神大賞典 | GⅡ | 阪神 | 芝3000 | 1着 | C.ルメール | -0.3秒 | ボルドグフーシュ |
| 2022/12/25 | 有馬記念 | GⅠ | 中山 | 芝2500 | 7着 | D.マーカンド | 1.1秒 | イクイノックス |
| 2022/10/23 | 菊花賞 | GⅠ | 阪神 | 芝3000 | 3着 | 鮫島克駿 | 0.1秒 | アスクビクターモア |
| 2022/09/25 | 神戸新聞杯 | GⅡ | 中京 | 芝2200 | 1着 | 鮫島克駿 | -0.6秒 | ヤマニンゼスト |
| 2022/05/29 | 東京優駿(日本ダービー) | GⅠ | 東京 | 芝2400 | 9着 | M.デムーロ | 1.3秒 | ドウデュース |
| 2022/04/17 | 皐月賞 | GⅠ | 中山 | 芝2000 | 9着 | M.デムーロ | 0.8秒 | ジオグリフ |
| 2021/12/28 | ホープフルS | GⅠ | 中山 | 芝2000 | 2着 | C.デムーロ | 0.2秒 | キラーアビリティ |
ジャスティンパレスは、通算23戦5勝という成績を持つ実力派のGⅠ馬です。
デビューは2021年9月12日、中京競馬場での新馬戦(芝2000m)でした。
1番人気に応えて快勝し、その素質を早くから評価されていました。その後、2021年末のホープフルステークス(GⅠ)ではキラーアビリティの2着に入り、クラシック候補としての期待が一気に高まりました。
2022年は菊花賞3着、神戸新聞杯(GⅡ)で勝利を収め、世代トップクラスの存在として注目されました。
さらに2023年春には、阪神大賞典(GⅡ)、そして天皇賞(春)(GⅠ)を制し、ついにGⅠ馬の仲間入りを果たします。
京都競馬場で行われたこのレースでは、4コーナーから鋭く抜け出し、後続に0.4秒差をつけての完勝でした。
同年の宝塚記念(GⅠ)や天皇賞(秋)(GⅠ)では、イクイノックスやドウデュース、さらに同時代のGⅠ戦線でしのぎを削ったガイアフォースといった一流馬たちとの接戦を繰り広げ、いずれも3着以内に入るなど、ハイレベルな舞台で安定した走りを見せました。
特に2025年の天皇賞(秋)では、団野大成(だんの・たいせい)騎手とのコンビで3着と好走。
トップクラスの競走馬としての実力を最後まで証明しています。
獲得賞金は中央で約9億8,782万円にのぼり、その実績は歴代の名馬たちと並び称されるものとなりました。
安定感と勝負根性に加え、重賞戦線での存在感は、競馬ファンにとって非常に印象深いものです。
GⅠで勝ち切る機会は減ったものの、6歳になっても常に上位争いを続けている点は特筆すべき成績です。
引退後の進路は?血統からみる種牡馬入りの可能性
ジャスティンパレスの引退後の進路として最も有力視されているのが、「種牡馬入り」です。
- 天皇賞(春)勝ち馬
- 長距離適性とスタミナを証明
- ノーザンファーム生産馬
これらの条件から、スタミナ型ディープインパクト後継種牡馬としての期待は非常に高い存在です。
ジャスティンパレスの5代血統表(Justin Palace)
父ディープインパクトは言わずと知れた日本競馬史上屈指の名種牡馬。
母パレスルーマー(Palace Rumor)はアメリカで5勝を挙げた実績馬です。
| 世代 | 父系 | 母系 |
|---|---|---|
| 父 | ディープインパクト(Deep Impact) | パレスルーマー(Palace Rumor) |
| 父の父 | サンデーサイレンス(Sunday Silence) | Royal Anthem(ロイヤルアンセム) |
| 父の母 | ウインドインハーヘア(Wind in Her Hair) | Whisperifyoudare(ウィスパーイフユーデア) |
| 曾祖父① | Halo | Theatrical(シアトリカル) |
| 曾祖母① | Wishing Well(ウィッシングウェル) | In Neon(インネオン) |
| 曾祖父② | Alzao(アルザオ) | Red Ransom(レッドランサム) |
| 曾祖母② | Burghclere(バークレア) | Stellar Affair(ステラーアフェア) |
ジャスティンパレスの血統のポイント
この血統構成は、日本だけでなく海外種牡馬市場でも高く評価される可能性があり、引退後の種牡馬入りに向けて非常に有望です。
- 父:ディープインパクト
日本競馬界の至宝とも言える種牡馬で、数々のGⅠ馬を輩出。種牡馬引退後も後継種牡馬としての期待は高い。 - 母:パレスルーマー(Palace Rumor)
アメリカで5勝。オードゥボンオークス勝ち馬で、繁殖牝馬としても優秀。産駒には重賞馬のアイアンバローズ、中央3勝のキングノジョーなどがいる。 - 母の父:Royal Anthem
欧州で活躍した芝の中距離馬。Theatrical系で芝2400mの実績あり。日本競馬のスピード血統と相性が良い。 - クロス(インブリード):
- Hail to Reason:4×5(9.38%)
- Northern Dancer:5×5(6.25%)
- Hail to Reason:4×5(9.38%)
これらのクロスは、日本競馬においてスタミナと瞬発力を両立する配合として高く評価されています。
代表的な兄弟・近親馬
ジャスティンパレスの兄弟には、重賞勝ち馬のアイアンバローズ(ステイヤーズS優勝)や、中央現役のキングノジョーなど、活躍馬が多数います。
| 馬名 | 父 | 主な実績 |
|---|---|---|
| アイアンバローズ | オルフェーヴル | ステイヤーズS(GⅡ)2着2回 |
| キングノジョー | シルバーステート | 中央3勝・現役 |
| ダノングレーター | ハーツクライ | 中央2勝 |
| パレスマリス | Curlin | ベルモントS(GⅠ)優勝(米) |
特にジャスティンパレスは、サンデーサイレンスの血を引きながら、母系にロイヤルアンセムやヌレイエフ、ロベルトといった米国・欧州の優れた血を内包している点が高く評価されています。
これは国内外を問わず種牡馬として魅力がある構成といえます。
引退後は、社台スタリオンステーションやブリーダーズ・スタリオンステーションなど、国内有力牧場で繋養される可能性が高く、すでに関係者の間では引く手あまたの存在とも噂されています。
また、国内外の繁殖牝馬との配合が期待されており、「ディープ後継種牡馬」として非常に注目度の高い1頭です。
今後は、産駒がクラシックや長距離重賞戦線で活躍することが期待されており、早ければ数年後には「ジャスティンパレス産駒」がJRAのターフに登場するかもしれません。
ジャスティンパレスへのファンの声と感謝を込めて|引退に寄せて
ジャスティンパレスの引退が近づくなか、ファンからは多くの感謝と惜別の声が寄せられています。
netkeibaの掲示板やSNSには、
「毎回一生懸命な走りに胸を打たれた」「勝てなくても、常に全力を尽くす姿が好きだった」など
温かいメッセージが多数投稿されています。
特に2023年の天皇賞(春)を制したレースは、多くの競馬ファンにとって忘れられない瞬間となっており、「感動で涙が出た」という声もありました。
また、団野大成さん、坂井瑠星(さかい・りゅうせい)さん、鮫島克駿(さめじま・かつま)さんら、騎乗したジョッキーへの感謝の言葉も目立ちます。
「団野騎手とのコンビが好きだった」「ルメールさんとの春天制覇は鳥肌ものだった」
と、騎手との一体感もジャスティンパレスの魅力のひとつでした。
印象的だったレースとしては、ホープフルS2着、天皇賞(春)1着、阪神大賞典1着、宝塚記念3着などが挙げられ、多くのファンがベストレースとして振り返っています。
引退は寂しいものの、今後は種牡馬として新たな歴史を築く舞台が待っています。
ファンの誰もが、彼の血を引く産駒が再びターフで輝く日を楽しみにしていることでしょう。
なお、有馬記念の開催日程や出走予定馬については、 有馬記念2025の最新情報まとめ で詳しく解説しています。
まとめ|ジャスティンパレスは引退する?いつまで現役か
結論:
ジャスティンパレスは、2025年12月28日(日)に行われる有馬記念(GⅠ)を最後に現役を引退する予定です。
年内での引退については、netkeibaやスポニチ、サンスポ、東スポなど複数の競馬メディアが一致して報じており、有馬記念がラストランとなる見通しが示されています。
6歳シーズンを迎えてもGⅠ戦線で安定した走りを続け、ジャパンカップや天皇賞(秋)でも上位争いを演じた姿は、最後まで一線級で戦い抜いた名ステイヤーとして、多くのファンの記憶に残るでしょう。
引退後は、北海道・アロースタッドで種牡馬として繫養される予定とされており、天皇賞(春)を制したスタミナと良血の血統を次世代へと伝えていく役割が期待されています。
グランプリレースである有馬記念という大舞台で迎えるラストランは、ジャスティンパレスにとって競走生活の集大成ともいえる一戦です。
現役生活の締めくくりとなるその瞬間まで、ジャスティンパレスの走りを一戦一戦、しっかりと見届けたいところです。
本記事の執筆日:2025年12月24日
内容は、netkeibaほか主要競馬メディアの報道(2025年12月24日時点)をもとに整理しています。
競走生活のその先へ|引退後も続く競走馬たちの物語
競走馬は、引退した瞬間にすべてが終わるわけではありません。
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